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aiko 7thアルバム『彼女』全曲感想

aiko 7thアルバム『彼女』全曲感想

こんにちは、ナカノです。

膨らみまくりの妄想を垂れ流す、aikoのアルバム全曲感想!

今回は『彼女』を書いていきます。

このアルバムもなんというか、葛藤にまみれた感じがしていて…大好きなんですよね。

私は『彼女』のときのツアーで初めてライブに行きまして…とても思い入れがあるアルバムです。

それでは、参ります~。

『彼女』収録曲

『彼女』 aiko

M1.シャッター
M2.気付かれないように
M3.キラキラ
M4.キスする前に
M5.深海冷蔵庫
M6.17の月
M7.その目に映して
M8.ひとりよがり
M9.あられ
M10.スター
M11.恋ひ明かす
M12.雲は白リンゴは赤
M13.ある日のひまわり
M14.瞳

『彼女』/aiko
【品番】PCCA-02315
【発売日】2006/08/23
【価格】¥2,913(本体)+税

『彼女』全曲感想

M1.シャッター

明るい曲調の失恋曲です。
aikoのこういう系の曲ってほんと好きすぎて困る。
もう何度も言ってるような気がするけれど。何度も言う。好きだ。笑

『シャッター』はイントロのピアノとギターの音を聴いたら、にやっとしてしまいます。
やっぱり初めて行ったライブの1曲目だったからでしょうか。
追加公演のラストも『シャッター』で、ほんとに自分の中では外せない曲。好きだな。

M2.気付かれないように

ゆったりめのバラードです。

別れてしまった「あなた」と久しぶりに再会したときの、「あたし」の心の中が描かれています。

会えて嬉しいけれど、会いたくなかったような気もするし、新しい彼女のことを聞きたいけど、聞きたくない。
前向きにしようとはするけれど、動揺しまくりで。
そんな色んな感情を気づかれないようにと言い聞かせて…という感じなのかなと。切ない。

この曲のイメージってちょっと靄がかかってるイメージ。霧ほどではないんだけど。
自分のことを隠したいし、「あなた」のことも隠しておいてほしい、でも知りたいっていう矛盾。
見たいけど、見たくない。ずっと気持ちがゆらゆら揺れている感じがします。

M3.キラキラ

同棲していた2人が遠距離恋愛に。家を出ていくことになってしまった「あなた」を待っている歌だと思っています。

明るい曲調で、「悲しい」とは言っていても、それをあまり感じない。

でも、「あたし」は強がっている風に見えているだけで、弱いのかもしれません。

想い悩み溢れる程
眠れぬ夜迎えてばかり
あなたを好きという事だけで あたしは変わった

話したいことはいっぱいあるし、自分がもしいなくなってしまっても待ってる!というくらい強くいれたはずの「あたし」だったのだけれど…。

「あなた」と離れてしまい、眠れなくなる日が続きます。
思っていた以上に好きにだと気が付き、弱気になってしまった。

でも、頑張っているであろう「あなた」にこんな弱気なところを知られたくないから…。
楽しい話も、些細なことも、次会えるまで、ひたむきに待ち続けよう的な感じなのかなと。

明るめの曲なので騙されそうなのですが、あんまり言わないだけで強がっている感じがします。けなげ。

M4.キスする前に

ギタージャガジャカのロッキン曲。

もう2人の世界~でとことんハッピーな歌です。

「秘密ランデブー」とか「虹色ランデブー」とか言っちゃうあたり、浮かれてますな。笑

ライブのときにちょっと音程を変えるところがあって、それだけでもうギュン!です。
只でさえ好きなのにもっと好きになりました。

M5.深海冷蔵庫

離れてしまった「あなた」のことを考えている歌。
ほぼずっと冷蔵庫の前にいるようです。
ぐるぐる考えたり、ぼうっとしたりの繰り返し。
ややゆっくりめ曲。

サビが好きです。

海の底を泳いで光を遮りたい
蒼いかも解らない程の下のまた下で
あなたの優しい所 温度と共に甦る
冷たい床と暖かい冷蔵庫に持たれて眠る

「あなた」との別れが辛すぎてもう何も見たくないと思っていたのに、冷蔵庫に持たれたとき「あなた」の体温のように感じてしまった。
床が冷たいのにもかかわらず、「あなた」から離れたくなくてそのまま眠ってしまった的な感じかと。

冷蔵庫の温度を体温と感じる感性がすごいなあと思いました。
そんなこと、考えたことないよ…。

2番のサビも良き。

あたしの消えぬ想いは宝物の石に変わる
重くても輝いて今夜の夢を見せてくれる

宝石ではなくて「宝物の石」

この、言い回しよ。宝物って言ってしまう。普通なら。

他の人から見たら何でもないような石みたいな想いも「あたし」にとっては宝物。
ただの石に見えてもあなたへの想いがつまっている。
「あなた」にだって夢で会える、的な感じですかね…。

最後に、

日曜日も☆のリングも22日も青い空も長袖も家の鍵も笑った目も夢のダンスも

とあるのですが、これは…もうaikoの私情できっとオッケーな感じですよね。aikoの誕生日ですよね。

はじめから終わりまでずっと出口がないという感じで内側にこもっている感じの歌でした。

M6.17の月

ゆったりとしたテンポの曲です。

「あなた」は心変わりをしてしまったけれど、頻繁に会う機会があるのかなと想像しています。
同じ学校なのか、職場なのか。帰り道も同じ感じかと。

曲の初めからだいぶ疲れている感じです。

心変わりを許した訳じゃない
もうあたしに力が残ってない
傷ついたまま癒す事もない
お願い今日はこのまま寝かせて

今日も無理してきたのでしょうか…。
「あなた」のことを許せないけれど、顔を合わせないといけないのって正直辛い…。
でも、会いたくない訳じゃなくて、むしろ一緒にいたい。

帰りたくなかった寄り道をして
迷ってしまえと本当は祈ってた
長い道路の白い線が消えるまで止まらないでと

許せない、けど会っていたい。
少しでも一緒にいられるよう、道に迷ってしまったらいいのにと思うほどに。

その後も毎日のように顔を合わせてしまいます。
「あなた」と離れてしまってからもう言わないと決めていたのに言ってしまった。
自分を制御できなくなって、また「好きよ」と言ってしまった。
その後の「あなた」の様子は描かれていません。う~ん…気まずい。

いつも夢見ていたあなたの傍で
声出して髪を結び手を繋ぐ
同じルールの白い線の上向かい合ってキスを

多分、また2人が付き合うことにはならなかったのではないでしょうか。
「あたし」が望んでいるだけで。

あなたはあたしよりうんと背が高いから
この道もきと見晴らしはいいのだろう

あなたは背が高い人のようです。
同じ道を帰っていたとしても、「あたし」よりも色々な物がよく見える。
視野が広いという意味かもしれません。他の女の子にも目を向けているのかなあとか。笑
しかし、「あたし」はあなたしか見えていないってことなのかなあと思っています。

遠くにいればまだ少しづつ気持ちも薄れていきそうですが、近くにいると「好き」も「許せない」という気持ちもなかなか消えないですよね。
なのに、「あなた」は他のことも考えているんだろうなあと思うと…なんだかなあ…辛い。

M7.その目に映して

「あたし」のことを「あなた」の「その目に映して欲しい」的な感じの歌。

「あなた」のことを考えるとワクワクしてしまうっていうのが伝わって来る、疾走感あるアップテンポ曲です。

M8.ひとりよがり

イントロから寂しい気配が漂う曲。

1番サビ、2番Aメロです。

あなたの喜び それは全てを丸くする輝きに似て
あたしはただ驚いた足は根が張ったかの様動かない

わざと悲しいそぶりをしたり声そ小さくしてみたり
気づいてほしいあたしのひとりよがり

夢が叶い、光のよう眩しい「あなた」。
前を向くあなたに対し、「あたし」は今の場所から動けない、そんな感じの歌だと思っています。

物理的に離れてしまうのかどうかはわかりません。

「あなた」の夢が叶ったことは喜んでいるのだと思いますが、気持ち的に「あたし」は置いてけぼりにされたと思っているのではないかと思います。その気持ちに気が付いてほしくて、少しだけしぐさに表して…。

その後も、置いていかれている、離れていってしまうかも、自分は変われない…でも、時間は刻々と過ぎていきます。
でも、日常の何気ないところで、「あなた」じゃないとだめなのにって思い知らされる。

『気づかれないように』や『17の月』のような、「あなた」だけが先に進んでいってしまうのに、「あたし」は止まったまま…的な感じですが、曲調的に1番辛さが際立っているなあと。

良かったね、置いていかないで、好き、気づいてと…色んな想いが交錯していて大洪水です。

でも、こういう渦巻いている複雑な歌、どっぷり浸かるにはいいですよね…アルバムの中でもかなり好きです。

M9.あられ

想うことがこんなに苦しいことだと知らなかった。
でも、ひたすら「あなた」のことを考えてしまっている片思いの歌。

ややゆっくりめな曲です。

自分の想いがチリになった方が楽と言っているのですが、これだけ想っていたら積もって山になりそうだなあと思ってしまいますねえ…。

M10.スター

「あなた」という星にたどり着いた瞬間を描いているのかなと。

この曲って神聖な感じがします。

包み込まれているみたい。

M11.恋ひ明かす

「あたし」のことを見張っておいてほしい、個性がなくなるほど縛っておいてほしい、「あなた」だけでいい的な歌。

ただ、「あなた」側のことは歌だけではよくわかりません。

「あたし」の心の中だけで考えている叫びみたいな感じなのかなと思っています。

テンポはどちらかというと速めの曲でした。

M12.雲は白リンゴは赤


明るめの失恋曲です。

私的には最強のカラ元気曲だと思っています。大好きです。

1番Bメロで、

夏は何度もやって来る 暑くて空も高くて

という歌詞があり、2番では友人にも呆れられそうだから言えない的な歌詞があります。
同じ恋を何年も引きずっている感じです。

2番Bメロです。

逢いたい逢いたい逢いたいと強く願ってれば
なんとなく届く様な気がしてならないのです

これだけ「逢いたい」と言っているので、別れてからは一度も会っていないのかなと。

サビです。

笑顔の空あなたの様にあたしも大丈夫になりたい
リンゴの赤 水風船が割れた
こぼれ落ちた水にまぎれ泣いた

「あなたのように大丈夫になりたい」という歌詞から、「あなた」の様子は耳に入ってくるのかもしれません。

「あなた」はもう新しい道を進んでいるようですが、「あたし」はあなたのことが好きなまま。

「リンゴ」は心臓とか心なのかなあと。
心がリンゴのように真っ赤に熟してしまった。
私の中ではシングルのカラートレイのような熟しまくってる赤を想像しています。想いが年期入ってそうだし。

でも「あたし」の心は本当は弱くて水風船のようにもろく、すぐ割れてしまいます。
その水で泣いてしまったことがバレないように誤魔化して…的な。

でも、まだ全然大丈夫にならなさそうです。カラ元気というか、強がりというか…。

人に聴かせると、はじめは明るくて楽しそうな曲と言われますが、歌詞を見せると「引きずりまくってますね」と言われる曲です。笑

M13.ある日のひまわり

『雲は白リンゴは赤』に続き、引きずって、夏…な歌です。
この曲もわりと明るめ。

個人的に『ひとりよがり』の続きみたいだなあと想像してました。

季節は夏になりました。

夢が叶った「あなた」。未だに止まったままの「あたし」。

「あなた」の夢が叶ったことをちゃんと喜んであげられなかったことや、置いていかれるかもしれないことが不安だったこと、素直に思ったことが言えませんでした。嘘をつくこともありました。

1番サビです。

ねえあのひまわり畑も下を向いてる
目も合わせないあたしにあなたは笑わなくなったね

後ろめたくて「あなた」の顔を見ることができません。
そんな「あなた」は「あたし」に対して笑わなくなってしまいました。

2番Bメロ サビです。

誇れるもの見失ったら 晴れたり曇ったりする事も
必要ないと言われた気がした

あなたはいつも笑顔が咲いた努力家
ひきかえ簡単な事が出来なくなった今のあたし

「あたし」には価値がない。

感情を表現することさえ許されないと思ってしまいました。

だって、「あなた」は夢を叶えたのに、「あたし」は今も何にもできないまま。

大サビでは、もう修復できないところまで来てしまったのだなと感じました。

でも、好きだったのだけれど。

努力している「あなた」に情けないと思われたくなかった。

「あなた」がどんどん前へ進んでいくのに、「あたし」は劣等感ばかり増え、遠い存在になってしまったのかもしれません。

でも、楽しくやっているところに、水をさしてしまうかもと思うとなかなか思ったことも言えないですよね…。
あ~キツイなあ。

M14.瞳

aikoが友人のために書いた曲だそうです。

今頃がんばってるのかそれとも新しい光が
青白い瞳に映ってるのか
間に合うように届けようと遠慮がちに歌います
“Happy Birthday to you”

新しく生まれてくる命におめでとう、ですね。

ここまではaiko目線だと思うのですが、これ以降は自分の娘に対する親目線なのかなと。

1番のサビでは、

健やかに育ったあなたの真っ白なうなじに
いつぞや誰かがキスをする
胸を体を引き裂くような別れの日も
いつかは必ず訪れる
そんな時にもきっとあたしがあなたのそばにいる

「あなた」もいつか友達や好きな男の子と離れてしまう日が来る。
けれど、「あたし」がいるから大丈夫。

進学や失恋などで大切な人と離れてしまう娘を包みこむような歌詞です。

大サビです。

そしていつかはかならず訪れる
胸を体を頭を心をもがれるような
別れの日も来る
そんな時にもきっと愛する人がそばにいるでしょう

「あたし」もいつかはいなくなるけれど、隣には「愛する人」がいるはずだから大丈夫だよという意味なのかなあと思っています。

母親の愛は偉大…aikoすごいよ。

これが友達の結婚式でかかって、泣いたよね。

『彼女』全体感想

幸せそうな「彼女」もいたのですが、じっくり観察してしまうのは苦しくてもそこから抜け出せない「彼女」でした。

変化したくない、今いる場所に留まっていたい。「あなた」とこのままいたい。「あなた」がいたことを忘れたくない…と、そんな気持ちを感じました。

そして、進んで行く「あなた」と前に進めない「あたし」が多いなあと。

大体情けないところを見せられない。見せたい気持ちもあるのに…。

葛藤真っ最中の「彼女」たちの内側をそのまま見せてもらえるようなアルバムでした。

そんな感じでした~。

ではでは。